福井のプロレス

　元ＩＷＧＰジュニアヘビー級王者の飯伏幸太（３４）が、「大怪獣モノ」（１６日公開）で映画初主演する。メインイベンターの現役プロレスラーとし ては、５９年公開「激闘」の力道山以来、５７年ぶりの映画主演となる。天才イケメンレスラーが「いかレスラー」「ヅラ刑事」などで知られる鬼才、河崎実監 督（５７）と組んで映画界に旋風を巻き起こす。

　「ゴールデン☆スター」の愛称で知られるイケメンレスラー飯伏が、偉業を達成だ。現在、世界最大のプロレス団体ＷＷＥのクルーザー級トーナメントに参戦中の飯伏だが、「大怪獣モノ」で、スクリーンでも強さを見せつける。　

　首都圏を破壊し尽くして東京に現れた怪獣「モノ」に対して、捏造（ねつぞう）疑惑で学会を追放されたバイオ研究者西郷博士が万能細胞「セタップ Ｘ」を開発。セタップＸを投与された博士の助手・新田（斉藤秀翼）が身長４０メートルの大巨人（飯伏幸太）に変身し、モノと戦うストーリー。プロレス界と 映画界で主役を張るのは、１９６３年に亡くなった日本プロレス界の父、力道山以来だ。

　飯伏は昨年、新日本プロレスとＤＤＴプロレスの２団体に所属。新日本ではＩＷＧＰインターコンチネンタル王座に挑戦、最強決定戦「Ｇ１クライマッ クス」に参戦するなどヘビー級戦線で活躍。ＤＤＴではＫＯ－Ｄ無差別級王座、同タッグ王座を獲得するなど活躍し、持ち前の身体能力と格闘センスから「天 才」と称されている。

　今年２月に両団体を退団し、「飯伏プロレス研究所」所属としてフリーで戦っている。飯伏は「昨秋に話がきたときは、怪獣と戦えるのが単純にうれし かった」。格闘シーンはお手のものだ。ＤＤＴでは屋外や店頭など「路上プロレス」の経験も豊富なだけに楽しんでやれた。聖地・後楽園ホール大会のメイン で、人形を相手にド迫力のプロレスを披露したこともある。「戦いで表現することはできますから、撮影は楽しかったです」と笑顔を見せた。

　苦労したのはセリフのシーン。女優兼プロレスラーで、謎の女スパイ役の赤井沙希（２９）とラブホテルに行くシーンも。「演技しながらセリフを言う のが難しかった。プロレスでもマイクで挑発したりせずに動きで見せるほうなので、どう感情を入れればいいか悩みました。あと、キャバクラで酔っ払うシーン は酒を飲まないので大変。ラブシーンは苦手です」と苦笑い。

　それでも、堂々の主役。「世界一性格の悪い男」の異名を取るプロレスラー鈴木みのる（４８）も出演している。「撮影現場で、鈴木さんがずっと見て るので照れくさかったですね。それでも少し自信がつきました。いろいろなことに挑戦してみたいけど、それはプロレスを世間に広めたいから」と話している。 【小谷野俊哉】

　◆飯伏幸太（いぶし・こうた）１９８２年（昭５７）５月２１日、鹿児島・姶良市生まれ。０４年７月ＤＤＴのＫＵＤＯ戦でデビュー。驚異的な身体能 力から繰り出される空中殺法や多彩なスープレックスなどを武器に０７年アイアンマンヘビー級王座、１１年ＩＷＧＰジュニアヘビー級王座など数々のタイトル を奪取。１３年ＤＤＴと新日本プロレス、ダブルの所属に。甘いマスクで女性人気も高い。得意技はフェニックス・スプラッシュなど。１８１センチ、９４キ ロ。

　◆プロレスラーと映画　力道山がプロレスドキュメントものを含め２０本近く主演。８７年に新人時代の武藤敬司が「光る女」に主演。９５年、一時引 退中だった大仁田厚が「ダンガン教師」に主演。０４年に新日本プロレスのバイプレーヤー西村修が「いかレスラー」に主演。９８年に引退したアントニオ猪木 氏が、１０年に「ＡＣＡＣＩＡ」に主演。

引用ココマデ

YouTube: 映画「大怪獣モノ」特報V　河崎実監督、飯伏幸太主演